根管治療(歯内療法)
根管治療(歯内療法)
私は2009年開業当初、地域の皆さまのための歯科として、一般歯科診療を幅広く行ってきました。その中で年を経るごとに増えてきたのが、

という、切実な思いを抱えて来院される患者さまです。
歯の根の治療は、肉眼では悪い部分は見えず、患者さまに治療結果もわかってもらいにくい分野です。同じ「神経の治療」と言われても、小さく細い歯の根の、その治療内容や精度にはとてつもなく大きな差が あります。痛みの有無だけが判断基準ではありません。
実際に、
「治療完了したはずなのに痛みや違和感が続く」
「費用と時間をかけたセラミックの歯が結局化膿して抜歯となった」
そのような経験をされてきた方も少なくありません。
私はそうした患者さまと沢山日々向き合う中で、
将来に問題を先送りするような治療では意味がない。結果として悪くなった歯が治り、機能する為に質の高い治療を提供したい
という思いを強くするようになりました。
現在は、研鑽年月を重ね、日本歯内療法学会専門医として、他院で治療が難しいとされた歯や、抜歯と言われた歯の治療にも毎日のように携わっています。患者さまが求めているのは、「現状を正確に把握した説明」から 「実際に治る可能性があるのかどうか」 だと考えています。 現状を正しく見極め、治療として成立するかどうかを判断し、意味のある治療に責任をもって向き合う覚悟を持っています。
日本歯内療法学会専門医 陶山公一

世界的には、インプラント治療の有用性を認めつつも、まず天然歯を残せるかどうかを精密に診断するという考え方が重視されています。
適切な診断と高精度な歯内療法によって、天然歯を長期にわたって機能させられることが、臨床的にも科学的にも示されてきたためです。
欧米を中心とした現在の歯科医療では、「抜歯してインプラントに置き換える」ことを前提とするのではなく、その歯に保存の可能性が残されているかを十分に評価したうえで、天然歯とインプラントの双方の長所、限界を踏まえ、患者さまにとって長期的に最も利益の大きい治療法を選択することが重要と考えられています。

一方で日本では、依然としてインプラント治療が「高級」「先進的」と捉えられる傾向が強く、歯内療法の専門性や価値が十分に評価されているとは言い難い現状があります。
その結果、保存の可能性が十分に検討されないまま、抜歯後インプラントが選択されるケースも少なくありません。
当院ではインプラント治療は行っていません。
これは技術の問題ではなく、歯を残す治療に専門性を集中させるという選択の結果です。
その上で抜歯という不可逆的な選択に進む前に、歯内療法によって治療として成立する可能性があるかどうかを、専門的な診断に基づいて徹底的に検討すべきだと考えています。
当院の役割は、その歯が本当に抜歯に値する状態なのかを診断することから始まり
歯内療法によって機能回復が見込めると診断した歯については、安易に抜歯へ進ませることなく、天然歯を残す治療に全力で取り組むことにあります。
最終的に保存が困難と診断した場合には、その理由を明確に説明し、適応症であるとあらためて診断した場合他院でのインプラント治療の選択肢もご提案します。
歯内療法は、天然歯を守るための高度で専門的な治療分野として、世界では評価は高まっています。
日本もこの流れに将来的には追従していくでしょう。
そして治療後、かみ合わせを機能させる治療が高精度にうまくいって生体に受け入れられなければ、あっという間に歯の根が破折(割れてしまう)ことを沢山経験から学んでいます。
治療した歯を10年、20年と長持ちさせていくには、根管治療はあくまで第一歩だと考えていただいて結構です
沢山の歯を治して、そして抜歯してきた長年の経験から将来を総合的に見据えたご提案をさせていただきます。
このようなケースでご相談を受けています。沢山ありますが、よくある 患者さまの感じる症状は以下の通りです。
歯の根の治療は、すべて同じ難易度ではありません。
当院では、以下のような症例に対応しています。

いつ神経を取ったか分からないくらい昔に治療された歯が何年も前から ニキビのような腫れと嚙んだ時の痛みを繰り返していて、他院で抜歯してインプラントを勧められてセカンドオピニオンで来院され 3ヶ月の治療期間で治癒を確認し、その後5年経過したそれまでの治療経過のレントゲン写真です。並べられても良くわからないことを我々は理解しています。ご自身の状態と経過がどの様であるか丁寧にお伝えします。

ダメージが大きく、長期保存が困難なケースは存在します。当院では、同意無く、無理に治療を行うことはせず、限界を正直にお伝えします。

完全な歯根破折が確認された場合
歯の根に縦方向の破折が大きくある場合(真っ二つになっている)、多くの場合保存が困難です。強い接着剤で固めて何年か保存できた ことはありますが一般的には予後不良です。顕微鏡による観察や、CTにより破折が確認された場合は 、抜歯を含めた治療選択肢をご説明します。

歯質が著しく失われている場合
虫歯や過去の治療により、歯を支える部分がほとんど残っていない 場合や内部に大きな穴が開いている場合根の治療が成功しても 長期的な維持が難しいことがあります。

重度の歯周病を伴う歯
歯の根の感染だけでなく、歯周病が進行して支える骨が無い場合、歯内療法単独では改善が見込めないことが多々あります。歯周病で既にぐらぐらになっている歯を長期に残すのは大変困難です。

感染の広がりが著しく大きく、回復が見込めない場合
歯を支える骨の破壊が著しく広範囲に及んでいる場合、上の奥歯で 耳鼻科領域にまでダメージが及んでいる場合など、治療を行っても 十分な回復が期待できないと診断することがあります。しかし感染の広がり方が大きくてもリスクはありますが、治療に挑んでみたことが良い結果に繋がったことも沢山あります。 抜歯の可能性があっても同意の上で挑戦してみる場合があります。
予想しきれない治療回数や治療内容をご理解、同意、ご協力いただくことは前提となります。難しい症例で6ヶ月以上かけて治癒に至らせたケースもあります。また、最終手段として手術や抜歯後、智歯(親知らず)を歯牙移植という方法も 選択肢にあります。
歯の根の治療がどれほどうまくいったとしても、咬合(かみ合わせ)との関係を無視した処置は、再発や症状の慢性化、歯根破折につながることが多々あります。当院では、根管治療にとても力をいれていますが、ある意味それ以上に 咬合(かみ合わせ)のバランスも治療計画の基盤として診断します。
その結果、
これらを科学的根拠をもとに見極めながら、最適な治療設計を行っています。当院では、

これらを含めた診査・診断を咬合器を活用した診断を行い、かみ合せの 観点からなぜこの歯は悪くなったのか、そして治ったとしてもどうやって長く持たせるかを治療開始時から深く考察します。歯科治療は総合力です。根管治療が成功してもその後の補綴処置(歯を被せて補強し、かみ合わせを機能させる治療)が高精度にうまくいって生体に受け入れられなければ、あっという間に歯の根が破折(割れてしまう)ことを沢山経験から学んでいます。治療した歯を10年、20年と長持ちさせていくには、根管治療はあくまで 第一歩だと考えていただいて結構です。沢山の歯を治して、そして抜歯してきた長年の経験から将来を総合的に見据えたご提案をさせていただきます。
治療には回数と時間が必要です、また基本的に自由診療となります。
歯の根の治療は、学問通りに治らないことも多く、ダメージが大きいほど短期間で終わる処置ではありません。感染の状態や歯の構造によっては、多数回以上の通院や、長期治療期間を要することがあります。その点も含めて、事前にご説明します。
根管治療費は保険診療負担のみで行っておりますが、長期的な予後と歯の保存を重視する観点から、治療後の最終修復物には精密な補綴治療(自費診療)をご選択いただくことを原則としております。
ただし、当院での治療の結果として痛みや化膿など根管治療が必要となった場合には、ご希望やご事情に応じて、根管治療から最終補綴まで全て保険診療で対応することも可能です。

歯の根の治療の成功は治療が終わってからが歯を機能させる本当のスタートです。ぴったりと被せて歯を守り、機能回復することで削った歯を長期に守ります。治癒も悪化もかみ合せが鍵を握ります。また、治療完了後も定期的メンテナンスにより治癒の過程を確認し、専門的お手入れやアドバイスは必須とお考えください。
私たちは「1本の歯を守り、口腔全体を読み解き」、そしてどうすれば長期的に安定して歯が保たれるかを最大限に考え、質の高い歯科医療をご提供したいと考えています。
感染のダメージが大きすぎる場合や、歯の内部の形態が複雑で感染部分を取り切れず治らないことや、治療完了後に悪化するケースがわずかに存在します。治療後年数が経過して病変の悪化から手術で再対応したり、歯の根が割れてしまってやむなく抜歯になることがありますが、当院に来ていただける限りはアフターフォローを誠実に行います。
医療機器は、新しいに越したことはありません。しかし、設備が揃っていること自体が治療の質を保証するわけではないと考えています。大切なのは、必要十分な設備を日常的に使いこなし、そこから得られる情報を最大限に活かすこと。
マイクロスコープもCTも、導入しただけでは意味がありません。
見える情報をどう読み取り、実際の治療にどう反映させるかが重要です。
歯科すやまでは、機械に頼りきる診療ではなく、徒手技術に徹底的にこだわり、設備を道具として活かす診療を大切にしています。
最新よりも、確かな診断と機械よりも丁寧な手指による処置。
それが、当院が考える設備のあり方です。複雑多岐多数の器具機械設備ですが、こだわりのものを 2つだけ考え方と共にご紹介いたします。
当院では最新型の歯科用CTと撮影の瞬間に画像確認できるデジタルレントゲンを導入しています。しかし、どんな優れたレントゲンも撮影するだけで診断ができるわけではありません。大切なのは、そこから何を読み取り、どう診断するかです。歯の根の形態、骨の状態、病変の広がりなどは、画像を丁寧に確認し、 臨床所見と照らし合わせてはじめて意味を持ちます。
当院では、レントゲン画像を治療方針を考えるための重要な情報として 活用しています。そしてどう治療につなげるかを大切にしています。


マイクロスコープや拡大鏡は、歯の細部を8倍~24倍まで拡大して
確認できる設備です。
現在では多くの歯科医院で「マイクロスコープ導入」を掲げていますが、拡大して見えること自体が治療の質を保証するわけではありません。
視野が広がる分、手の動きはより繊細さを求められ、実際の治療には経験と慣れが必要になります
0.数ミリより小さいものが見えていても、思い通りに指が動いて器具を動かすことは大変な熟練が必要であり、
私は毎日使って練習して使いこなすのに10年はかかったと思います。
また現在も研鑽を続けています。


歯の内部にある感染した部分を細い針のような器具で取り除き、消毒・封鎖することで、歯を残すための治療です。歯の根(根管)の形には個性があり、見えない部分を扱うため、状態によって難易度が大きく変わることがあります。広義では歯内療法といいますが、一般的には根管治療といいます。いわゆる「神経を取る治療」は多くの方が受けられたことのある治療ではないでしょうか。治療後は補強と再感染を防ぐために歯を被せて完了になります。
残念ながら多くあります。私自身の治療でも経験があります。例として一般的には神経を取った奥歯(大臼歯)の60%程度は治療が不十分であるというデータが存在します。治療の際にやむを得ない場合も含め、内部に細菌が残っていた場合や、被せものや詰め物の精度が悪く、時間の経過によって再び感染が起こり、炎症が起こることがあります。
当院ではどの歯科医院でも進んでやらない再根管治療を最大の注力分野としています。
あります。
自覚症状がなくても、根の先に炎症が生じていることは少なくありません。
レントゲンなどで状態を確認し、必要に応じて相談の上治療を検討します。痛みが激しく出てからの治療は治りにくいことを多数経験しています。
状態によります。
歯の破折や感染の広がりが強い場合は、抜歯が適切と判断されることもあります。一方で、適切に再治療を行うことで残せる可能性があるケースもあります。当院では、残せる可能性と限界の両方を踏まえて診断しています。
すべてのケースで改善が得られるわけではありません。
歯の状態によっては、治療を行っても改善が難しい場合や、最終的に抜歯が適切と判断されることもあります。そのため、治療の可能性と限界を含めてご説明しています。また長期に歯を持たせるにはかみ合わせや、生活食習慣、被せものの精度なども影響します。治療完了後のメンテナンスとチェックが重要です。
治療後歯根破折や新たな虫歯になってしまい抜歯になったケースもありますし、20年以上の長期安定経過を認めている患者さまもいらっしゃいます。
予想はつきませんが長期保存が見込める歯を治療する場合と、お互いに納得理解の上でリスクのある歯を抜歯せずに出来るだけの治療技術を尽くす場合があります。
状態によって異なりますが、複数回以上の通院が必要となることが一般的です。他院で抜歯といわれたようなダメージの大きい歯は経過観察を含めて6ヶ月以上かかる場合もあります。
再治療の場合は、通常よりも時間がかかることが多くあります。「何回かかりますか?」とよく聞かれますが、悪化しているほど根気と忍耐が必要である治療とお考え下さい。これまでの臨床経験で、あるエビデンスを基に、短期間で治療を完了させて予後が悪かった経験が複数あり、当院は治癒経過を慎重に観察しながらすすめる方針へ変遷していきました。
診断から始まっての丁寧な処置と時間、説明に要する時間、最新機器は一般的なルールの枠組みでは十分な対応が難しいのです。日本は世界で最も恵まれている医療体制ですが、それでも医療費が増え続ける現代において、残念ながら必要最低限までのフォローしかありません。
当院では、必要な処置の質と時間、材料機器を確保するため、自費診療での対応を基本としています。
歯の状態や治療の難易度によって異なります。
そのため一律の費用ではなく、診断のうえで個別にご説明しています。
事前に内容と費用の目安を明確にご説明し、ご納得いただいたうえで治療を進めています。
処置の際はできるだけ痛みを抑えるよう配慮しています。場合により麻酔します。
ただし、治療初期に一時的な違和感や痛み、腫れが出ることが予測できず時々あります。その場合も様々な症状に素早く対応し経過を見ながら進めていきます。
状態によっては難しい場合があります。ひと目見て抜歯を勧める場合もあることをご理解ください。
特に歯が割れている場合や、(歯根破折)歯の構造が大きく失われている場合(内部での虫歯の著しい進行)は、保存が難しいことが多くあります。
可能です。
現在の状態を確認したうえで、治療の選択肢や今後の見通しについて正直にご説明します。この場合CTを撮影させていただくことが多いです。痛みがある場合に応急処置や投薬をさせていただく場合もありますが、治療は治療方針を納得同意の上で別日に開始します。
治療後も、補綴物(被せた歯)のかみ合わせや適合(フィット)や生活食習慣の状態によって変化が起こります。人工の歯とご自身の歯の境目から新たな虫歯が起こりますし、歯の根の破折が最も当院で治療した歯の予後でのリスクです。これはかみ合わせが最大の要因です。
そのため、定期的な確認や歯科衛生士が主となるメンテナンスを行いながら、お互い協力しあって歯を長持ちさせていくことが大切です。