2026年8月03日
「他院で器具が折れて残っている。痛みがあるが取り除けないので抜歯と言われた」

40代女性
レントゲン(左)では、根管内に2本のファイル(治療用器具)が折れ込み、根尖部に透過像(根尖病変)が認められます。当院にてマイクロスコープを用いた拡大視野下で慎重にアプローチし、2本とも無事に除去。その後、精密な根管治療を行い、徹底した感染源の除去、洗浄、消毒を図り、根管治療後は補綴(歯を被せる)しました。
歯科用ファイルは折れることがあります。私も折ったことがありますが、それ(金属製)が悪さをするわけではありません。その器具が邪魔をして根管内を綺麗にしきれない為に取るのだという考えです。

CTから歯の内部構造、破折ファイルの位置を確認し、顕微鏡下で直径0.2ミリ程度の器具と根管内の隙間にまた直径0.1ミリの細い専用器具を挿入し、弱い超音波振動をかけて取るという大変に熟練の必要な歯科技術が必要です。私は100%の成功率ではありませんが、年々成功率を上げています。
隣接する欠損部には、根管治療後、ご自身の「親知らず」を移植しました。(自家歯牙移植)
現在術後5年経過した状態ですが、移植した歯も根管治療した歯も、共に良好に機能し、骨の状態も安定しています。今後、長期経過のレントゲンも掲載します。
「抜くしかない」と言われた歯でも、残せる可能性はゼロではありません。最後まで諦めずに対応いたします。
治療期間6か月(経過観察含む) 自由診療費用価格表参考
リスク
将来の歯牙破折、二次う蝕、歯周病の進行、移植歯は長い時間をかけて根が徐々に体に吸収されて(外部吸収)いくことがあります。個人差があり事前に予測が難しいリスクとなります。
定期的なかみ合わせのチェックと口腔内を清潔に保つ清掃管理が必要です。
日本歯内療法学会専門医 陶山公一